EVENT Report

〜2004年「世界禁煙デー」記念シンポジウム報告〜

国際水準のタバコ規制をめざして アピール全文



世界禁煙デー記念シンポジウム−国際水準のタバコ規制をめざして−は、 5月29日東京・飯田橋のシニアワーク東京にて、約120名が参加して開催され、 次のアピールを全会一致で採択しました。

2004年「世界禁煙デー記念シンポジウム」アピール

 昨年5月、「健康増進法」が施行され、学校、体育館、病院、飲食店などの施設管理者に対し、 受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずることが義務づけられました。 しかし、1年が経過した現在、若干の進展が見られるもののまだ不十分な状況です。
 私たちは、こうした状況の改善を求めるとともに、喫煙者に対しては禁煙の重要性を訴え、 行政や医療機関に支援体制を講ずるよう働きかけて参りました。
 このたび、WHOの「タバコ規制枠組み条約」(FCTC)が国会で承認されたのを機に、 国や自治体、医学団体、教育機関等に対し、国際水準から大きく遅れている わが国のタバコ規制の強化を図るよう、以下の提言を行います。

  • 病院、保健所など住民の健康を守るための施設は全て禁煙とすること。
  • 学校など教育施設の敷地内と公共機関は、全て禁煙にすること。
  • 官公庁、民間企業の職場、事業所を全て禁煙とすること。
  • 飲食店は、将来の「全面禁煙」をめざし、当面「分煙」を徹底すること。
  • JRなど全ての駅構内および車両を禁煙とすること。
  • 全てのタクシー車内を禁煙とすること。
  • 全ての教育機関は、喫煙防止教育を徹底して行うこと。
  • タバコの自動販売機を禁止すること。
  • 歩行喫煙・路上喫煙・ポイ捨てを全面的に禁止すること。
  • タバコ会社のマナー広告、企業広告、イメージ広告を禁止すること。
  • タバコ会社のスポンサーシップを全面的に禁止すること。
  • 交通機関、ピルなどの看板、印刷媒体のタバコ広告を全て禁止すること。
  • タバコの監督官庁を財務省から厚生労働省に移管すること。
  • 政府部内に、タバコ規制のセクションを新設すること。
  • 政府保有の日本たばこ産業の株式(現在54.5%)を全て放出すること。
  • タバコの消費を抑制するため、価格を大幅に引き上げること。
  • 「たばこ事業法」を廃止し、「タバコ規制法」を制定すること。
 私たちはこれらの実現をめざして、今後も強力な運動を展開して参ります。

2004年5月29日
「世界禁煙デー記念シンポジウム」参加者一同




・・・・プログラム再録・・・・

「ニッポンのたばこ政策への提言」
国立保健医療科学院情報デザイン室長
望月 友美子
「歩きタバコ禁止法の制定をめざして」
衆議院議員・禁煙推進議員連盟
長妻 昭
「アジア太平洋におけるWHOのタバコ・フリー・イニシアティブ(TFI)」
獨協大学名誉教授・東京アレルギー疾患研究所所長
牧野 荘平
「サービス業(飲食店ほか)の受動喫煙問題を調査して」
東京大学大学院国際地域保健学教室
中田 ゆり
「呼吸器病とタバコ」
エパレク副理事長・半蔵門病院内科医師
灰田 美知子
「たばこ病訴訟・控訴審の法廷と正義の実現」
弁護士・タバコ病訴訟弁護団長 
伊佐山 芳郎